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新ケータイ三国志

2008.08.17
デザイン性に優れた携帯電話端末、割安感のある料金体系、好感度の高いテレビCM-。“わかりやすさ”で消費者の心をとらえたのがソフトバンクモバイルだ。携帯電話業界で15カ月連続の契約純増数1位を記録し、ライバルのNTTドコモとKDDI(au)を圧倒する快進撃を続ける。だが、急成長の裏側では、電波のつながりやすさや通信速度など消費者の目に見えにくい部分のサービス品質に課題も残る。成長ペースを維持しつつ、信頼性や安心感をどう築き上げるか。ソフトバンクには地道な企業努力も求められる。


KDDIの携帯電話ブランド「au」が、1年前には予想もしなかったピンチを迎えている。今年6月に契約純増数でNTTドコモに逆転を許したかと思えば、7月には電話番号を変えずに携帯電話会社を替えられる番号ポータビリティー(継続)制導入後初めて転出超過の屈辱を味わった。新しいライフスタイルの提案で若者に支持され、市場をリードしてきたauブランドの輝きは、ソフトバンクモバイルにお株を奪われた格好だ。auに何が起きたのか。KDDIの巻き返しが注目される。

 ■相次ぐ開発遅延

 今夏のケータイ商戦の話題をさらったのは、ソフトバンクが7月に発売した「iPhone(アイフォーン)」。また、NTTドコモが8月から個人向けに販売を始めた「ブラックベリー」も、パソコンの機能を取り入れた高性能が売りだ。これら高機能端末は「スマートフォン」と呼ばれ、市場は活気づいている。だが、KDDIは昨年から開発を急ぎながら、1機種も発売できていない。

 「どのタイミングで製品を出すか検討している」

 小野寺正社長は7月の記者会見でこうかわしたが、関係者は「開発がうまくいかず困っている」と明かす。スマートフォンは販売台数こそ多くないが、携帯電話会社の技術力や先進性を示す役割を担う。派手なPR作戦を展開するアイフォーンを前に、KDDIは対抗策を打てない状況だ。

 スマートフォンだけではない。KDDIが昨秋発表した高機能端末向けの共通基盤技術「KCP+(プラス)」も、開発の最終段階で停滞。売れ筋機種の販売計画を狂わせ、今年前半の商戦の足を引っ張った。

 相次ぐ開発遅延には、同社特有の事情もある。

 ライバルのドコモとソフトバンクは、主力の第三世代携帯電話(3G)サービスで同じ通信規格を採用している。端末メーカーは市場シェアの約7割を占める両社には、同じ技術で効率よく製品を供給できる。

 一方、KDDIの3Gは異なる通信規格のため、メーカーは新たな仕様開発や部品調達を求められ、負担感が大きい。ドコモなどより販売台数が少ない分、開発や製造のコスト削減も難しい。シェアの差は、メーカーを含む開発力に直結するため、容易に解決できない構造的な課題なのだ。

 端末開発の自由度が狭まった結果、最近はKDDIの端末から特徴や独自性が失われたとも指摘される。得意の前衛的なデザインも他社に追随されてきた。

 ■敗者復活戦

 不振に陥ったもう一つの原因は、市場の変化を読み違えた料金戦略にある。

 携帯電話会社は従来、毎月の利用料金を高く徴収する一方、その一部を販売店への補助金に回し、端末を「0円」「1円」などの格安で販売する料金プランの体系を構築してきた。

 そこへソフトバンクが昨年1月、毎月の基本使用料を980円と格安に設定し、代わりに端末代金は割賦販売方式で回収する新料金プランを導入。また昨秋には総務省が、端末代金と利用料金を明確に分離するよう行政指導し、これを受けたドコモも割賦販売と割安な利用料金による新料金プランへ軸足を移した。

 しかし、変化を嫌ったKDDIだけが、従来の料金体系を継続した。

 その結果、市場ではソフトバンクやドコモの明快な料金プランが支持を集め、小売店から「auのプランは売りにくい」と不満が噴出。商戦でみるみる失速し、6月にようやくドコモなどと同様のプランへ切り替えた。常にドコモに先んじて料金競争を仕掛けたKDDIが後手に回り、敗者復活戦を挑む格好だ。

 ■auらしさ健在

 とはいえ、「auは若者に根強い人気を維持している」(携帯電話販売会社)のも事実だ。

 auの先進イメージには、他社に先駆けた音楽配信サービスが大きく貢献している。2002年以降、楽曲の一部を携帯に配信する「着うた」や、1曲まるごと配信する「着うたフル」を導入。06年には携帯向けとパソコン向けの音楽配信を組み合わせた「リスモ」を開始し、音楽も携帯も手放せない若者の心をがっちりとつかんだ。

 新機軸を次々に繰り出す創造性は、今年の新サービスにも表れている。

 携帯に搭載したGPS(衛星利用測位システム)を活用し、ジョギングやサイクリングで走ったコース、時間、消費カロリーなどを記録できる新サービス「auスマートスポーツ」を1月に開始。6月には端末の外装と、メニュー画面などの“中身”の両方を利用者ごとに変えられる「フルチェン」サービスを導入した。全く新しい携帯の使い方を提案するauらしいサービスといえる。

 ■変化をチャンスに

 今後数年間に、携帯関連業界には大きな技術革新の波が訪れ、市場は新たな転換期を迎える。その変化をつかんで勝機にできるかどうか、KDDIにとっては正念場となる。

 最初の大波は、来年予定される次世代高速無線通信の商用化だ。激しい参入競争の末、2つしか与えられない免許を勝ち得たのは、新通信規格「WiMAX(ワイマックス)」の導入を目指すKDDI陣営と、次世代PHS規格を擁するウィルコムとなった。

 ワイマックスは毎秒最大20メガビット程度の高速通信を安価で提供できるのが特徴。KDDIは事業化にあたり、パソコンやカーナビ向けの無線インターネット接続サービスを本格化するほか、中小の通信事業者などに設備や回線を貸し出す新ビジネスにも乗り出す。

 さらに2010年以降は、3Gから次世代携帯電話規格(3・9G)への移行も控える。KDDIは3Gでの独自路線を捨て、ドコモや海外の主要事業者と同じ規格を採用する方針を表明した。他社との規格共通化で端末開発の制約がなくなれば、得意とするサービスの独創性で勝負できる場面が増えそうだ。

 端末開発と販売政策の歯車が狂い、修正を急ぐau。変化の激しい市場だけに、油断は即ピンチを招くが、好機も少なくない。KDDIは巻き返しの準備を静かに、だが着実に進めつつある。


チョコミントが大好き




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